神喰の国 設定

桐皇大社→青峰山の麓に本社を構え、五合目に奥社、八合目に最奥社である桐皇洞を有する。国で五指に入る大社。黒と赤を基本色とする。
主祭神は夏と冬の青峰御神命と春と秋の桃井比売命の二柱。相殿神として今吉神、諏佐神、若松彦、桜井木霊命の四柱が祀られている。相殿神はそれぞれ利益が異なる。
 
海常神社→早川と中湾の河口に巨大な鳥居を持ち、その奥の海常島に本社、島の天辺に奥社を持つ。主祭神は黄瀬大明神。島ひとつが丸ごと神社。
基本色を青とし、旗色は黄金。
相殿神として笠松彦神、早川神、中村彦、小堀神、森山男命が祀られている。それぞれご利益は異なるが、海難避けが共通。
 
洛山神宮→都の鬼門にある神宮。紅の大鳥居が名物である。広々とした境内の中に、本殿と奥社がある。基本色は赤で旗色は赤と金。
配祀神は実渕夜叉神と葉山雷獣神と根武谷剛力神、合わせて黛権現も祀られている。実渕と葉山と根武谷は太古の神木の五柱の若宮のうちの三柱。
 
秀徳大社→緑間山の麓に広がる原生林を含めた秀徳霊場の主神。霊場には他に三十三の神社がある。
本社と、原生林の奥に奥社、禁足地の山の頂上に神木が聳える。橙に近い朱色が基本色で、旗色は緑。
相殿神として高尾神、宮地彦命、木村明神、大坪命が祀られている。
 
陽泉神社→青峰山と並ぶ紫峯山脈の山頂にある紫原高地に本社があり、峰々に嶺宮がある。紫原高地には陽泉神社の氏子と神職が住む村がある。紫峯山脈の総鎮守とされている。主色は紫と白。主祭神は紫原神
と氷室大将。相殿神は岡村神、福井命、唐津劉神。
 
 
青峰大輝:鬼神。
桐皇洞の主で、いつから存在しているかもわからぬとされる鬼神。山の化生であり、山の主の一人。
夏と冬と山に住む生き物たちを司る。
国の五柱の大神の一柱であり、その中でも最も慈悲深いとも残酷とも言われる。祝色は主色が青。
人の世を逃れて逃げ込んできた妖や人の子、半妖を匿い育て、その妖たちが桐皇洞の眷属たちとなった。人の世に生まれた妖や世を追われた妖たちの避難場所の一つとして桐皇洞は機能している。
元は人間であり、神代に山に捧げられた生贄の子である。
この対神の担う願いは「生きたい」
 
桃井さつき:鬼神。
桐皇洞のもう一人の主で青峰と対の女鬼。山の主の一人でもある。春と秋と植物を司る。
逃げ込んできたもの達の世話をよくしている。山の中にいても市井の動向は全て把握している。
元は人間であり、青峰と共に山に捧げられた生贄の幼子である。
井と青峰は元は山村の集落で共に暮らしていた孤児であったが、野山に親しみ、人よりも優れた知覚と感覚を持っていた。
孤児であったが故に飢饉の折に山に捨てられたが、恨みの念はほとんど持たない。
青峰は投げ込まれた滝壺の主を、桃井は落とされた谷底の桃を口にして神と成った。
二柱とも生贄に選ばれた際に丹塗りの矢で示されたことから、丹塗りの矢で示されるとそれを避けることができない。
もともと二人は目の色も髪の色も黒かったが、段々と色が変わっていった。一応神になったのは桃井の方が半年ほど早い
 
今吉翔一:黒狐
桐皇洞の眷属の一人であり、青峰と桃井の初めの養い子の一人である。青峰の側近として働いている。幼い頃はただの狐であったが、戦火に巻かれ戦場で食らった武者の肉や怨念が狐を妖へと変えた。都でさんざんぱら化かしまくり、帝を鬼に変えたり、手折られかけた妖花を守ってやったりと暴れ回ったつけで、陰陽師に退治されかけ、死に体で諏佐と共に青峯山に逃れた。
そこで青峰と桃井に救われ、それ以来二人の眷属として洞を護る。
はじめは反発していたが、そのうちに思いっきり絆された。
 
諏佐:蛟
桐皇洞の眷属の一人であり、桐皇を流れる水源の主でもある。
元は都近くの川の蛇の変化であったが、その川を罪人の処理場に使われ、屍肉と怨嗟の穢れが凝って妖となった。今吉とは都の時からの友人であり、今吉が川に落ちたときに助けて青峯山に逃げ込んだ。
二人に対して、強い力を持つゆえの畏怖と、世を知らないことへの軽蔑の双方を持っていたが、次第に絆されて二柱と洞を守るようになる。時が流れて神のあり方が変わるなか、今吉と共にただの山の主で鬼であった二人を名実ともに神に据えた。
 
青峰は元人の鬼神。黄瀬は半妖の妖狐。紫原はだいだらぼっちか元人の山のヌシ。緑間は神木の下に埋められた人から生まれた木霊。赤司は人から神格を得た。
※そもそも全員神喰いの妖怪や神喰いの人であり、神となったのは赤司が帝であった時の政策に拠る。神階を授けられて五柱の大御神となる。