「おっさんさァ…、もう諦めて禁煙しろよ」
「え~、ヘルメッポ少佐が禁煙するなら付き合うけど」
「煙草吸う度にスカーフ燃やすわ、噎せるわで気が気じゃねェんだよ、おれァよォ!」
「ははっ、それ後輩にも言われたな!」
「後輩の気持ち汲んでやれよかわいそうに!」
「いーじゃねェか、今は少佐が水かけてくれるから吸えてんだ」
「もうアンタ何歳だ? 肺だってずっと若かねェんだぞ」
「少佐…年齢の話はデリケートなんだ!!」
「えっ」
「心はあと四年くらい二十代だが、もうそろそろおれは四十路…、えっ、おれ来年四十路なの?」
「おれに聞くなよアンタの歳だろ!」
「いやだ! おっさんじゃん!」
「おっさんだよ! ……いや、顔は老けて見えねェから、そこまで落ち込まなくても……三十路で通るよ」 「優しい……、いやおれまだ三十路!」
「面倒くせェなこのおっさん! 二十代のおれに絡むな! くるにしても煙草の火を消してからにしろ!」