六 漸深層/寂寞 - 1/2

誰かの悪夢

──オレはそれ”だけ”だ。
 それだけであるが故に、オレは恐怖を押し隠している。
 幾星霜の孤独の中。
 惨めったらしい己は必死に目をそらしている。
 深く、深く恐怖の底で喘ぎ、のたうちながらオレは吠えるのだ。
 ────と。