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七 海底/無力

彼の悪夢 和泉守兼定は自ずからそれを知っている。 刀の終わりの時代。滅びに向かうものとして生み出された我が身が、銃や大砲に劣るものであると知っている。 刀の終わりの時代。名剣名刀の中で己があまりに矮小な刀であることを知っている。 それくらい…

おかえり三日月 三景

対大侵冦防人作戦後の三日月と初期刀の帰還時の三つの本丸の話。※刀解表現含む※ゲーム内の一年が物語の中では二年くらいのイメージ

ひとふり虎徹 中編

「おれを虎徹と間違えた?」 長曽祢に首根っこをつままれ、自らを金長と名乗った狸はふてくされた様子で長曽祢に頷く。「殿様の虎徹が外に居ったけん……、ほなけんどなんでまちがえたんかもう分からん」 狸はふてくされるが、さもありなん。「殿様の虎徹─…