刀剣乱舞

長曽祢虎徹の銘の話

手入れ失敗で長曽祢虎徹が幼児化する話。※審神者台詞あり。捏造過多。2015年投稿なので、まだ清麿は未実装でした。(2022年リメイク)ちょっとだけ「ひとふり虎徹」と繋がってる本丸。

長船の里の子守唄

夢見の悪い小豆と、燭台切の話。用語を捏造しています。“のみとり”と同一設定。

終 御手杵の槍

うららかな春のそよ風が、頬をくすぐる心地よさにうっすらと目を開いた。「これが御手杵かあ」声がする。自分に目があることを何となく感じた。ガラスケースの向こうに自分をみる瞳がある。とろりと柔らかく暖かな泥のような微睡みの心地よさに、御手杵はほほ…

四章 役目と奉公

けたたましいサイレンの音がついに聞こえて、屋敷はにわかに浮き足だった。そのころには御手杵はたいがい蔵にいて、蔵をでるのは力仕事にかり出されたときばかりになっている。空襲警報で逃げ出す家中を案じながら、蔵の中でまんじりとせずにほかの憑喪神と共…

三章 刀の役目

蜻蛉切はどうやら沼津でつつがないらしい。そういう話を、質屋の鏡から風の噂で伝え聞くころ、戦火は音を立てて海を吹き渡り、いつしか幾度目かの、かの槍の切り落とした秋津が野原に空き地に飛び回る季節になっていた。晩秋の、弱々しい日の垂れ込めた昼下が…

二章 槍の奉公

翌日、御手杵は再び洋装に身を包んで本多の屋敷を訪なっていた。昨日の今日で、松平家も本多家も驚いたようだったが、少しばかり無理を言って訪れた。「蜻蛉切に本当にもう憑喪神が憑いていないのか、我らの方法で確かめたい」そう告げると、本多の家の奥方は…